
アートメイクは、朝のメイク時間を短縮してくれる便利な施術です。
しかし、「アートメイクをしているとMRI検査を受けられないのでは?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、現在使用されているアートメイクの色素の多くは、MRI検査に大きな影響を与える可能性は低いとされています。1999年の調査では、アートメイクの色素によるMRI検査への影響は1%未満という結果も出ています。
それでも、ごく稀に発熱や画像への影響が生じる可能性があるため、検査前に必ず医療機関にアートメイクの施術について伝えることが重要です。
この記事では、アートメイクをしてMRI検査を受ける影響について、詳しくお伝えいたします。
アートメイクをしてMRI検査を受ける影響について
アートメイクは、眉やアイライン、リップなど、皮膚に色素を注入することで、メイクの時間を短縮し(手間を省き)、常に美しい状態を保つことができる人気の施術です。
しかし、アートメイクを入れていると、MRI検査(磁気共鳴画像法)を受けられないのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、現在使用されているアートメイクの色素の多くは、MRI検査に大きな影響を与える可能性は低いとされています。
しかし、全く影響がないとは言い切れないため、検査を受ける前に必ず医療機関にアートメイクの施術について伝えることが重要です。
なぜなら、ごく稀ではありますが、発熱や画像への影響が生じる可能性があるからです。
アートメイクの色素とMRIの反応
MRI検査は、強力な磁場と電波を使って体の内部を画像化する検査です。
体内の水素原子核が磁場に反応することを利用して、臓器や組織の断面画像を詳細に描出することができます。
一部のアートメイクの色素には、微量の金属成分(特に酸化鉄)が含まれている場合があります。酸化鉄は磁性を持つため、MRIの強力な磁場の中に置かれると、磁力線の方向に沿ってわずかに動くことがあります。この動きによって、色素周辺の組織に微弱な電流が発生し、熱を発生させることがあるのです。
近年使用されるアートメイクの色素は、金属含有量が少ないです。
しかし、過去に使用された色素の中には、金属含有量の高いものも存在しました。
そのため、特に10年以上前にアートメイクを施術された方は、色素の種類が不明な場合があり、注意が必要です。
発熱や画像への影響(アーチファクト)
アートメイクの色素に含まれる金属成分がMRIの磁場に反応すると、施術部位に熱が生じる場合があります。多くの場合、軽い熱感やチクチクとした刺激程度で、検査終了後には治まります。
しかし、ごく稀に、やけどのような症状が出る可能性も否定できません。
また、金属成分はMRI画像にアーチファクトと呼ばれる影のようなノイズを発生させることがあります。アーチファクトは、本来存在しない影が画像に現れる現象で、診断の妨げになることもあります。
近年使用される色素では、アーチファクトの影響は軽微であることが多いですが、過去の施術や海外で施術を受けた場合などは、影響が大きい可能性も考えられます。
MRI検査を受けるための対策
MRI検査を受けるために、以下の点に注意しましょう。
- アートメイクの施術について、医療機関に必ず伝えること:これは非常に重要です。医療機関は、患者さんの安全を第一に考えて検査を行います。アートメイクの有無を伝えることで、適切な対応を取ることができます。
- 施術部位、施術時期、使用色素の種類などを具体的に伝える:これらの情報は、MRI検査における安全性を評価する上で非常に役立ちます。可能な限り詳細な情報を提供することで、より安全な検査を受けることができます。
施術直後は肌が敏感になっているため、可能であればMRI検査は1~2週間程度控える:施術直後は、皮膚に炎症が起こっている可能性があります。MRI検査によって、炎症が悪化する可能性も否定できません。そのため、可能であれば、施術後1~2週間程度はMRI検査を控えることが望ましいです。
過去の施術による影響と注意点
10年以上前のアートメイクや、海外、無資格のサロンなどで施術を受けた場合は、使用された色素の情報が不明確な場合が多いです。
そのため、MRI検査への影響が予測しづらい可能性があります。必ず医療機関に相談し、適切な対応をしてもらいましょう。
過去の施術情報が不明な場合は、MRI検査以外の画像診断法を検討することもあります。
金属アレルギーとの関連性
金属アレルギーをお持ちの方は、アートメイクの色素に含まれる微量の金属成分がアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
MRI検査とは直接的な関係はありませんが、アートメイクを検討する際には、事前に金属アレルギーのパッチテストを受けることをおすすめします。
また、過去に金属アレルギーの症状が出たことがある方は、アートメイク施術前に医師に相談しましょう。
事前に伝えるべき情報
MRI検査を受ける際には、医療機関のスタッフにアートメイクに関する情報を正しく伝えることが非常に重要です。具体的には、以下の情報を伝えましょう。
- アートメイクの施術部位(例:眉、アイライン、リップ):施術部位によって、MRI検査中の発熱リスクや画像への影響が異なる場合があります。例えば、アイラインは環状に色素が注入されているため、他の部位に比べて発熱リスクが若干高まる可能性があります。
- 施術時期:施術から時間が経過するにつれて、色素が体内に定着し、MRI検査への影響が小さくなる傾向があります。施術時期を伝えることで、より正確なリスク評価が可能になります。
- 使用された色素の種類(わかる範囲で):色素の種類によって金属成分の含有量が異なり、MRI検査への影響も異なります。可能な範囲で色素の種類を伝えることで、適切な対応を取ることができます。過去の施術で色素に関する記録が残っていない場合は、医療機関と相談の上、対応を検討します。
- 過去のMRI検査での経験(発熱や異常など):過去のMRI検査で発熱や異常を感じた経験があれば、必ず医療機関に伝えましょう。
- 金属アレルギーの有無:金属アレルギーをお持ちの方は、アートメイクの色素に含まれる微量の金属成分に反応する可能性があります。金属アレルギーの有無を伝えることで、アレルギー反応のリスクを考慮した検査計画を立てることができます。
これらの情報を伝えることで、医療スタッフは患者さんにとって適切な検査方法を選択し、安心して検査を受けていただくことができます。
緊急時の対応
MRI検査中に、施術部位に熱感や痛み、違和感が出た場合は、速やかに検査技師に伝えましょう。
MRI装置内には、緊急停止ボタンやインターホンが設置されているため、いつでも連絡を取ることが可能です。検査技師は、状況に応じて検査を中断するなど、適切な対応を行います。
検査前に不安なことがある場合も、遠慮なく相談しましょう。事前に不安や疑問を解消しておくことで、安心して検査に臨むことができます。
また、検査中に体調の変化を感じた場合は、我慢せずに伝えることが重要です。検査技師は、患者さんの安全を最優先に考えて対応しますので、安心して検査を受けてください。
まとめ

アートメイクとMRI検査の適合性について解説しました。
現在使用される色素の多くはMRI検査への影響は少ないですが、念のため医療機関にアートメイク施術について伝えることが重要です。
施術部位、時期、色素の種類などを具体的に伝えましょう。
過去に施術を受けた方は、色素の情報が不明確な場合があるので、より慎重に相談することが大切です。
当クリニックは、浜松駅から徒歩5分というアクセス抜群の立地にあります。
仕事帰りやショッピングのついでにも気軽に立ち寄ることができ、忙しい日々の中でも無理なく来院(通院)できます。駅近なので、天候に左右されず快適に通院できる点もメリットです。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用ください。
アートメイクは医療行為です。
だからこそ、施術を行うスタッフの技術と経験は非常に重要です。当クリニックのスタッフは、長年の経験と実績を持つアートメイクの専門家です。
解剖学的な知識に基づき、お客様一人ひとりの骨格、筋肉、皮膚の状態を正確に把握した上で施術を行います。
また、お客様のご希望やお悩みを丁寧にカウンセリングし、肌質や毛質、アレルギーの有無なども考慮しながら、理想の仕上がりを実現するための最適な施術プランをご提案いたします。
施術中は、痛みや不安を最小限に抑えるよう心がけて施術を行っております。(安定した施術を心がけています。)
また、使用する機器や色素は、厚生労働省の認可を受けた質の高いものだけを使用しています。